4世代がひとつ屋根の下思い出の詰まった実家を建て替え 4世代がひとつ屋根の下思い出の詰まった実家を建て替え

WE LOVE THIS HOUSE

4世代がひとつ屋根の下
思い出の詰まった実家を建て替え

#004 T邸×GREEN STYLE 新潟県 長岡市

#NIIGATA

MEAS×新建ハウジング

住まいに愛着をもつ住まい手とつくり手を取材する「WE LOVE THIS HOUSE」。

今回訪ねたのは、雪が降り積もる新潟県長岡市。去年12月、築42年の奥さんの実家を建て替え、延床面積135.53㎡の住まいを新築した、Tさん家族のもとへ。大きなお家には2歳から94歳まで、なんと4世代が賑やかに暮らしています。(ご夫婦37歳・長女7歳・次女2歳・お母さん63歳・お祖母さん94歳)

記事では、ご実家の建て替えエピソードや、家づくりの軸となった庭とLDKの話、長岡ならではの住まいづくりの工夫についてなど、Tさん家族と、一緒に家づくりに携わった住宅会社『GREEN STYLE』の高橋さんにもじっくりお話をうかがいました。

20社から選ばれたのは、
じっくり向き合ってくれた地元工務店

―――家づくりはどのように進めていきましたか?

お母さん:まずはいろんな住宅会社の見学会に足を運びました。我が家は住む人の数が多い分、住まいへの要望も多く、手書きの要望書は15ページにも及ぶ大作で(笑)。『全部は無理ですよ』と突っぱねられることも多かったのですが、GREEN STYLEの高橋さんは最後まで熱心に話を聞いてくださいました。20社ほど住宅会社を回りましたが、こんなに良い人はまずいませんでしたね。

―――高橋さんは要望書を見たとき、どのように感じましたか?

高橋さん:私はむしろ大歓迎。1個1個希望を読んで、思いのこもったお家なのだなと胸が熱くなりました。私たちの住まいづくりで最も大切にしているのは、お客さまの声。ゼロからお客さまと私たちで話し合いながらプランを一つひとつ作っていくので、一軒一軒に思い出があります。

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手書きの要望書には、家族それぞれの朝と夜の動線や家具のサイズ、各部屋の要望などが記されている。 Tさん家族同様、GREEN STYLEの高橋さんも、生まれも育ちも新潟県長岡市。

―――実際に家が完成するまでどれぐらいかかりましたか?

高橋さん:一昨年10月ぐらいにお母さんがうちの見学会にきてくれて、家が完成したのがその翌年の12月ごろ。打ち合わせは半年以上、週1ぐらいはしていました。うち長いんですよ(笑)。でもこのお付き合いの長さこそ、大切だと思っていて。遠慮せず、なんでも言い合える環境をできるだけ作りたいと思っています。せっかく建てるからには妥協してもらいたくないし、僕たちも妥協したくない。打ち合わせは2時間ぐらい予定していても、いつも3時間ぐらいに長引くことが多かったですね。

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玄関ドアの目隠しになる縦格子は、和の趣を強調するアクセントに。左右両側からアクセスできるのも便利。「おばあちゃんは軒下に椅子を置いて、近所の人たちとお話しできるのが楽しみだと喜んでいました!」

実家の建て替えは、
約40年来の思い出を引き継いで

―――思い出の詰まったご実家を建て替えるにあたり、どんなことを心がけましたか?

高橋さん:建て替える前のご実家も案内してもらったのですが、お母さんが庭やリビング、茶の間など一つひとつ思い出を話してくれて。ここには仲の良い家族のかけがえのない日常があったのだなと改めて実感。そのまま残すものや、リフォームして活かすものをみんなで話し合いながら、僕たちにできることは全部叶えてあげたいと思いましたね。

お母さん:高橋さんに前の実家を見てもらったとき、『ここから眺める守門岳の景色がとっても好きなの』となんとなく話したことを覚えてくださっていたようで、新しい家の同じ位置にも小さな窓を付けてくれました。打ち合わせ中はもちろん、何気ない雑談からも思いを汲み取ってくださったのは感動しましたね。

―――家の中には障子や落とし掛け、欄間など、前の家から引き継いだ建具がありますね。

奥さん:リビングの障子は、前の家の床の間で使われていたもの。窓の大きさは障子の大きさに合わせて設計してもらい、デザインは現代の住まいに溶け込むよう少々手を加えてもらいました。建て替えは、母や祖母にとって、ずっと慣れ親しんだ家での暮らしを手放すことでもあって、電気の位置や物の置き場所など、住み始めは小さな不自由もたくさんあるはず。だからこそ、随所に前の家の面影を残したい、馴染み深いあしらいを眺めて気分を癒してほしいと思いました。

高橋さん:玄関にあるとても珍しい虫食いの落としがけは、解体するときにおばあさまの部屋でたまたまみつけたもの。せっかくならと活かしました。大きな荷物を運ぶときは邪魔にならないように、カパっと板ごと外せる仕様を提案させてもらいました。

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前の住まいから引き継いだ趣深い建具類は、新しい家のテイストやサイズに合わせてリデザイン。空間に心地いい“実家感”を添える。

家の中心は、
大きな庭と日当たりのいいLDK

―――家づくりの軸になった空間はどこですか?

奥さん:お庭です。前の実家もお庭がメインの家で、同じ位置に同じ庭をというのは譲れないこだわりでした。私が小さな頃は池があって鯉が泳いでて、妹とどろんこになって遊んだり、虫を捕まえたり。木もたくさん生えていて、かくれんぼをしたり。このお庭にはいろんな思い出があるんです。近年は石がたくさんある観賞用の庭と化していましたが、建て替えるなら娘たちも遊べるお庭にしたいと、できるだけ走り回りやすい平地にリフォームしました。子どもたちも子どもの頃の私と同じように、たくさん遊んでくれたらいいなと思います。

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開放感のあるリビングの天井は躯体現し。梁はあえて無垢のまま仕上げることで経年変化を楽しむことに。今後、ハンモックや小さなブランコをつけようと計画中。

―――L字型のLDKはどこからでもお庭が眺められますね。

奥さん:お庭を身近に感じられて、かつキッチンとダイニング、リビングがひと続きで、みんなが集まれる場所を広く取りたい。そこから導き出されたのが、このL字型のLDKです。私たちも母たちも畳生活が長かったので、リビングは床に近い暮らしを意識。小上がりの畳スペースとの段差を利用した、3.5 mのベンチは家族全員6人でも座れます。また、子どもたちがのびのび走り回れるように、ベンチの下には備え付けの収納スペースをたっぷり確保して、空間が広々使えるように工夫しました。

お母さん:リビングのベンチはおばあちゃんの定位置。窓の外を見れば、庭にやってくる鳥たちや昔から植えてある紅葉を眺めることができて、孫もそばで遊んでいるし、本当に退屈しないみたいで。ベンチは足腰に優しい高さを高橋さんが提案してくれて、腰もお尻も痛くなく快適みたいです。日がよくまわり、いつも温かい空間。自然と家族みんながリビングに集まるように、暮らしが変化しましたね。

高橋さん:庭に臨む窓はもっと大きく取ることも可能でしたが、隣接するお家と窓の位置が干渉しないように、隠すところはしっかり隠す設計に。これから春になって庭の木に葉っぱが増えれば、それがさらに目隠しにもなりますよ。

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立派なお庭を眺められるLDK。たっぷり自然光が差し込むリビングダイニングは、和紙素材のプリーツスクリーンを下ろすことでほどよく採光することも可能。

雪国なのに夏は蒸し暑い!?
長岡ならではの家づくり

―――新潟県長岡市はどんな気候の地域ですか?

高橋さん:長岡は雪国で寒いことに加え、盆地で田んぼが多いことから、夏は湿度が高く蒸し暑い地域。お米とお酒はおいしいのですが、家を建てるのは少々難しい地域なのです。

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山梨県・埼玉県・長野県の3県の境にある甲武信ヶ岳(こぶしがたけ)を水源とする信濃川は、 越後平野を潤す日本最長367kmの一級河川。

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新潟県のほぼ中央部に位置する長岡市。人口は新潟市に次いで2番目に多い。夏には日本三大花火大会の一つに数えられる『長岡まつり大花火大会』が開催される。

―――長岡という土地の特性から導き出した、住まいづくりの工夫を教えてください。

高橋さん:まず冬の寒さ対策のために、玄関と廊下の間にひとつ扉を設けました。一般的な住まいだと玄関を広く取るためにつけないことが多いですが、扉をひとつ設けるだけで家の中の温かさは格段に上がります。LDKで暖房をつけているとき、玄関ドアを開けても温かい空気が逃げにくく、廊下までほんのり温かい。暖房を効率よく使えると思い、是非にと導入を勧めました。

旦那さん:あと、外壁には金属サイディングという素材を採用しました。温かさを保持することに特化していて、耐久性にも優れている素材。新潟は寒いので壁の目地がひび割れてしまうことがあり、できるだけ目地の少ない金属の外壁を選びました。メンテナンスの費用も抑えられて、かつ目地が少ないデザインはスタイリッシュでかっこいいですよね。また、屋根の樋は雪が積もっても割れにくい丸型。これは雪国の家の特徴でもあります。

高橋さん:冬の寒さからは一変、蒸し暑い夏場はとにかく風通しを意識。例えば、リビングの北側、天井近くには通気のための小窓を設置しました。小窓の外は前面道路なので、少し空いているだけで風が抜けるのです。長岡市内の中央には信濃川が流れていて、川の流れを踏まえて窓の方角を決めることでうまく風が抜けるよう設計しています。光の取り込み方や、風通しなどはGREEN STYLEが特にこだわっているポイント。毎日の何気ない暮らしの心地よさまでしっかりデザインします。

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冬の北風を和らげる玄関前の引き戸はガラスの入った格子戸。圧迫感なく、外の光が廊下の壁に反射して美しい。 道路に面している北側の窓は、人の目線よりも高いところに設置することで、人目を気にせず生活できる。

楽しいことはみんなでシェア
思い出を刻み、ホッと落ち着く実家へ

―――はじめての4世代暮らし。ライフスタイルにどんな変化がありましたか?

旦那さん:おばあちゃんは毎朝お仏壇を拝むのですが、子どもたちも真似するようになって、一緒に手を合わせるのが日課になりました。日本古来の文化が自然と暮らしに溶け込んで、受け継がれていく。子どもたちにとってかけがえのない時間になるだろうと思います。また、私たち夫婦は共働きなので、どうしても仕事で子どもの面倒が見られないときに、お母さんやおばあちゃんに頼れるのは非常に助かります。

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「備え付けの収納スペースの下は、季節の変化を感じられる小さな見せ場として楽しみたい」と奥さん。 ウッドデッキからお庭を眺めるTさん家族。雪が溶けたらどんな遊びをしようかなとワクワクお話し中。

奥さん:ある日の休日、娘たちがおばあちゃんと一緒にシャボン玉をお庭に吹いていて。『あっち飛んでいったね〜』と話しながらほのぼの遊んでいる姿をみて、『みんなで暮らせてよかったな』、『みんなで楽しめることが増えてよかったな』と改めて実感しました。冬は雪遊び、春になったらお庭に芝生を敷いてBBQをしたり。これから家族4世代、楽しい思い出をたくさん作りながら、みんながホッと落ち着ける愛着のある住まいへと育てていきたいと思います。

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 文:北居る奈
写真:佐々木孝憲

VOICE FROM HOMEBUILDER

GREEN STYLEが手掛けるのは規格のない、お客さま重視のフルオーダー住宅。私たちの建てる家はひとつとして同じ家がなく、さらにスタッフ全員で1組のお客さまを担当するため、施工件数もそう多くはありません。ですが、その分一人ひとりのお客さまと大切に向き合っていきたいという思いがあります。建てて終わりではなく、建てた後の未来も長くサポートできる、そんな関係性を築くことが理想です。(GREEN STYLE 髙橋 徹さん)

GREEN STYLE

ダイエープロビス株式会社 本社内 〒940-0016 新潟県長岡市宝4丁目2番地25 TEL. 0258-24-1110 TEL. 0120-952-135 FAX. 0258-24-0303

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設計士とつくる、自由で心地よい家

新潟県に本社を構える、総合建設プロデュース会社『ダイエープロビス株式会社』のオリジナル住宅ブランド。 “夏は木陰のような涼しさ、冬は陽だまりのようなあたたかさ。そして、森林浴のような爽やかな風。木漏れ日のような明るさ” 、そんな“心地よさ”を追求したライフスタイルを目指し、光の入り方や風の通り方、周辺環境などを細かく調査。設計士と住み手がゼロから自由にプランニングし、長く住み続けられる住まいをつくる。

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VOICE FROM MEDIA

家族が寝静まった後でも仕事ができるように、旦那さんの書斎は寝室から離れた場所に設けたり、階段脇にはキャリアアップを目指す奥さんのための勉強スペースを作ったり。また、94歳のお祖母さんの部屋はトイレや洗面台、お風呂、キッチンなど水回りを近くに配置するなど、生活リズムもライフステージも異なる4世代がそれぞれ快適に暮らすために、さまざまな工夫が施されていたTさん宅。互いのプライベートを尊重しながら、サポートが必要なときはお互い手を取り助け合う。そんな大家族のお手本のような、素敵な住まいでした!

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